セントラルラジアルチャレンジ 2022 Round.3 レポート【後編】

前編はこちら。

いよいよ LaLaSweet GT のラジチャレが幕を開けます。デモランのドリフトパフォーマンスの熱も冷めやらぬ間に、フリー走行の時間が近づいてきました。あやにゃん、りなちゃん、こうちゃん。それぞれが思い思いにリラックスした時間を過ごしていましたが、徐々に戦闘モードに気持ちを切り替えていきます。

ドライビングシューズの紐をキュッと結び、フェイスマスクを着け、ヘルメットを被る。レースに挑む者として当たり前に行なっているその動作は、周りで見ている者に独特の緊張感を与えてくれます。

フリー走行

エンジンに火が入るといよいよコースイン! フリー走行といえどもコース上のどのポジションにいるかっていうのは大事なことで、LaLaSweet GT 勢は前が開けたポジションで走れるよう先頭でコースインを選択。コースイン直前にも応援に来ていただいた方のカメラ撮影に応じたり、当日のレースアナウンスを担当したMC平田さんの問いかけに笑顔で応じたりしていたのは、これがまだフリー走行前だからでしょうか。まだまだ緊張感はあるものの、穏やかな空気がコース上を包みます。そう、この時はまだ誰もこの後不穏な空気が流れ込むことに気づいていないのでした。

誰もがその異変に気がつくのに時間はかかりませんでした。フリー走行が始まって1周も経たずにこうちゃんが乗るスイフトスポーツが緊急ピットイン! どうもエンジンの点火系統にトラブルが出たらしく、復旧作業を急ぎます。今回、初めてドライバーとして参加したこうちゃん。いつもはサポートメンバーとして整備を担当してくれているのですが、まさか自身のマシンの整備をすることになるとは!究極のセルフサービスでリカバリーを目指します。

その間にも、あやにゃんとりなちゃんは順調に周回を重ね、この日のマシンコンディション、コースコンディションの把握に努めます。とくに今回のエントリーに合わせて設定を変えてきたあやにゃんは積極的に重ね、誰よりも長くコース上にとどまっていました。

ちょっとしたアクシデントはありましたが、フリー走行は無事に終了。この後に控える予選までの間はまた穏やかな時間に戻ります。こういった緊張を解く時間も大切なんでしょう。フォンの皆さんとの交流も深まる、そんな時間です。

予選

そうこうしている間に予選のアタックが始まりました。決勝のスターティンググリッド上位を目指して積極的にアタックを行うのが予選というイメージをお持ちの方は少なくないと思います。ただ、そうはいかないのがラジチャレの難しいところでもあり、面白いところでもあります。

このラジチャレにはクラス分けに用いる車両規定があるのですが、その中に「日本国内で一般に市販されているストリートラジアルタイヤ(メーカー・銘柄自由)を1セットのみ使用OKです」とあります。つまり、パンクなどの不測の事態以外は、タイヤ1セットでフリー走行から決勝までを走行しなくてはなりません。予選でタイヤを使いすぎると、決勝で苦しくなる。一番いいのは予選のコースインしてすぐのアタックラップにしっかりベストラップを出してピットに戻ってくる。口にするのは簡単ですが、なかなかそれができない。予選をどう走るかは、ドライバー一人一人の判断に委ねられます。

その予選ですが、フリー走行でトラブルを抱え普及を目指していたこうちゃんが乗るスイフトスポーツも無事に復帰!……したのですが、またも1周目で同じ症状に見舞われ、緊急ピットイン。決勝に向けて再びのセルフサービスを余儀なくされてしまいました。とはいえその表情は悲観的なものというよりは、レースアクシデントを楽しんでいるようにも見えたのは私だけでしょうか。

あやにゃんはセッティングの効果が出ているのか自己ベスト更新。りなちゃんは自己ベスト更新はできないまでもあやにゃんに喰らいつくような走りで予選のアタックを終えました。

昼休みの異変

昼食を挟んだ後で決勝レースとなるのですが、ここでピット内の空気が一変します。

なんと、LaLaSweet86 のチューニングをお願いしている BMW専門店 Y’zOne の片野田代表がスタッフとともにピットに現れたのです。これにはドライバーのあやにゃんも驚きを隠しきれないようでした。

片野田代表は自ら LaLaSweet86 のセッティング確認をするとともに、あやにゃんのフリー走行・予選の走行を見て、またあやにゃんからの要望を受けて最終調整をしてくれました。ダンバーの減衰力やスロットルコントローラーの調整など、より速く、より走りやすくなるためのセッティングを見つけていきます。

だが、この日はこれで終わらなかったのです……

「タイヤ入れ替えよう」

その一言が始まりでした。レースを走る車にはよくあることなんですが、コースレイアウトによって左右のタイヤの減り方が違います。その減り方の違うタイヤの位置を変えて、少しでも良い状態にしようとしています。

前述した通り、車両規定でタイヤは1セットしか使えないので、過去の参戦ではタイヤのローテーションなど考えることもなく決勝に至ってました。どこからかフロアジャッキが持ち込まれ、ローテーション作業が始まりました。

スーパー耐久シリーズ PLUS with BMW Team Studie チームの監督を務めた片野田代表。勝つことへのモチベーション、速く走れるために今できることはする。それが周りにも伝わっていたのでしょう。手が空いている者が率先して作業に加わります。

タイヤのローテーションを終えて一息ついている頃、片野田代表がつぶやいたその言葉に、周囲がまたにわかに騒がしくなります。

「シート外そう」

その言葉を聞いた周りにいた者も驚きというよりも、むしろその状況を楽しんでいるようでした。

「メガネ(工具)あるー?」
「何ミリ?」

と声をかけ合いながら、必要な工具を準備し、作業のための空間確保に動き、後席と助手席のシートを手際よく外していきます。車は重いよりも軽い方がいい。そんな当然のことをカタチとして表していきます。

周囲がその作業を楽しんでいる間、あやにゃんは一人プレッシャーを感じていたようです。「ここまでやってタイムを更新できなかったらどうしよう……」と。そのプレッシャーを軽減する暇もないまま、決勝レースのスタート時間を迎えたのでした。

決勝

涼しさを感じていた午前中に比べ、いくぶん太陽の陽が差し込み、気温も上昇してきた13時40分。決勝レースが始まりました。

フリー走行と予選で満足のいく走りができなかったスイフトスポーツも無事に復旧。あやにゃんの乗る LaLaSweet86、りなちゃんがのるひよこちゃんとともにスターティンググリッドにつきます。

コース上では LaLaSweet Girl の ERIKA ちゃんとエナちゃんがスタート3分前・1分前のプレートを持って、各ドライバーに準備を促します。参加車両を背にして立つ彼女たちはとても素敵です。

スタート直後の混乱もうまく抜け出し、LaLaSweet GT の3台とも上々の滑り出しを見せました。ジャンプアップも期待できそうではありましたが、LaLaSweet GT 勢も遅いわけではないものの、ライバル勢たちもしっかり速くなっており、抜きつ抜かれつの熱い走りを繰り広げています。

あやにゃんは自ら課題だと話していた最終コーナーの走行ラインを確かめつつ。りなちゃんはあやにゃんの背中を見ながら、その差を縮めていくその小さな体以上の熱い想いが乗った走りを。こうちゃんは消化不良となったフリー走行と予選の鬱憤を晴らすような気合の入った走りを見せてくれました。

結果はあやにゃんが無事に自己ベストを更新。りなちゃんは自己ベストの更新は叶わなかったものの、次戦に向けた課題が見つかったようです。こうちゃんは初参戦が無事に終わったことが何よりの結果となりました。

最後はみんな揃って笑顔あふれる記念撮影。やっぱり笑顔が LaLaSweet には似合います。

次戦はクリスマスの日に

ラジアルチャレンジ 2022 Round.4 は、2022年12月25日(日)のクリスマスに開催予定です。サンタクロースが LaLaSweet に素晴らしい結果のプレゼントをしてくれるように期待しましょう!

ぜひサーキットで一緒に楽しんでくれたら嬉しいです。皆さんのお越しをお待ちしています!

(写真・文: 稲垣博文)

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